どんな私も。
「なーにやってんの?」


隣から、男の人の声が聞こえる。


私は、すぐに顔を背けた。


笑うと歪む顔。
まばたきの出来ない左目。
ろれつの回らない口。





私は今、『顔面神経痛』なのだ。




「ねぇー。。。シカト?」

「。。。」


「ちょっと可愛いからって、調子乗ってんじゃねぇよ!!」


「私なんて可愛くなぃですから。」


一言呟き、私はその場を離れた。




どこが?

あの人は、私のことを何も知らないから、あんなことが言えるんだ。



私が喋ってるのを見たら
私が笑ってるのを見たら
私が顔面神経痛と知ったら


『可愛い』なんて、絶対に言えない。絶対に。




だって。。。

聖也(せいや)。
あなたがそうだった。。。

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