続・新撰組と妖狐ちゃん!
ブワッと吹き出る冷や汗を拭きながら、
あたしはその場にヘナヘナと座り込んだ。
「…忠告する前に殺されかけたんですけど。」
あたしは少しびっくりしながら
つぶやいた。
今の殺気は、
今までで一度もあたしに向けられた事がなかった、(実は←)
本気(マジ)の殺気。
弱みを人に見せたくない
沖田の威嚇。
だってこんなスピードが速い攻撃なんて
一度も見た事はなかった。
もし一歩前に進んでいたら、
妖怪のあたしでもよけきれない。
…殺られてたかも。
あたしがバクバクしている心臓を
落ち着かせていると、
中から低い声が聞こえてきた。
「…今すぐこの部屋の前から消えてよ。
じゃないと、この刀をそのままスライドさせるよ。」
「…ちっ。」
今、あたしの右側に襖があり、
目の前には、その襖から刀が突き出ている状態。
そのまま、こちら側にスライドさせれば
襖もろとも、あたしの首もすっぱーんと斬れる訳であーる←
…とか、解説してる場合じゃなくて。
あたしはどうしたもんかと、
頭をフル回転させた。
此処で引き下がったら、
この手はもう通用しなくなる。
もう近づく事さえ
出来なくなるかもしれない←
あいにく刀は今持っていない。
だってご飯食べるのにいらないでしょ。
←当たり前。
なんて考えていると、
「…!?」
ふとある匂いが鼻を掠めた。
刀が刺さった襖の隙間から、
沖田の部屋の匂いともう一つ。
今まで散々嗅いできた、
血の匂い。
それはあたしのものでもなく、
刀に染み付いたものでもなく、
この部屋の中にいる沖田自身の血。
…やっぱり、
普通の風邪じゃないだろ…
あたしは顔をしかめると、
はぁー…とわざとらしく溜息をついて
その場に立ち上がった。
すると、部屋の中の沖田の殺気が
強まった。
「…殺すよ。」
本日三度目の本気殺人宣言は
無視無視←