続・新撰組と妖狐ちゃん!
不治の病、か…
「…あたしには、人間の病がどんなもんかよく分からないけどさ、不治の病だとしても、治す努力ぐらいしろよ。」
医者に行くとかさ、
と、あたしは付け足した。
すると、
「…医者に行ったら、隊務に出させて貰えなくなるじゃない。それなら、医者に行かずに僕は近藤さんの側で死ぬ時まで戦う。」
そう言った沖田の目は、
固い意志がこもっていた。
けれど。
あたしは顔をしかめた。
「…それ、死に急いでるだけだろ?
近藤さんの側で戦い続けたいならな、
ちゃんと療養して元気になる事だ。」
あたしは、
はぁ…と溜息をついて続けた。
「それにな、そのままほっといて苦しむのは自分だけじゃねぇ。周りの奴らだって見ているのは辛いし苦しいんだよ。
…もちろん、近藤さんだって。」
そう言った瞬間、
沖田がハッとした顔になった。
「…死んだら元も子もないんだよ。
あたし達妖怪でも、死には勝てない。」
ふと、村に長州の奴らが襲ってきた時の事を思い出した。
次々と消えていく仲間の命。
そして家族の命。
無力だったあたしは、
何も出来なかった。
ただ、ただ、
命が消えていくのを
震えながら見ていただけ。
そんな思いは、
もうあれだけで十分だ。
…大切なものは
自分で守らなきゃ。
「…まぁ、散々人を殺してきたあたしが言える事じゃないけどな?」
と、あたしが苦笑いすると、
沖田も苦笑いをした。
「…それは僕もだよ。
…もう、逃げたりしないからこれ解いて?」
…。
「…え"、そう言って逃げるだろっ。
前にもそんな感じで逃げられた覚えがあるんだけど←」
過去に2、3回ほど←
あたしが顔を引きつらせると、
沖田がはぁ…と溜息をついた。
「そんな目の前で泣かれたら
逃げようにも逃げれないでしょ。
ほら、」
「は?え!?泣いてなんか…」
沖田に言われて目元を触ると
確かに濡れていた←
「ええええ!?泣く要素あった!?」
素晴らしく無意識だった!←おい。
すると、動揺の所為で術が緩んだのか、
よいしょっ、と沖田が身体を起こした。