続・新撰組と妖狐ちゃん!
あたしは身の危険を感じたので、
とっさに沖田の上から飛び退いたが、
ガシッ
「ひぁっ!?!?」
尻尾掴まれたぁあああ!!!!!
「ちょちょちょちょ!!!!
離せ!離して!!離してください!!」
あたしがバタバタ暴れていると、
沖田が不敵に笑った。
その笑みに、
背中にゾゾゾっと寒気が走った←
「日向の弱点見ーつけた(黒笑)」
のおおおおおおおおおお!!!!!
大魔王に弱点を知られる=死
を意味するっ!!!
あたしの耳と尻尾は、
普通に白狐の姿だと問題ないんだけど、
半妖の姿だと、そこだけ感覚が違う。
だから、触られるとなんつーか…
ゾワゾワ〜ってなるんだよ!!
異常にくすぐったいんだよ!!!
「…っ、ひゃあ…」
「ぷっ(笑)日向が可愛い←」
ち、力が抜ける…!!!
あたしはへなへなになりながら、
沖田をキッと睨みつけた。
そして、
最後の力を振り絞り、一言←
「『縛』ー!!!!!」
「わわっ!!ひどいなぁ。」
あたしは再び畳に縫い付けられた沖田を見下ろして、黒く微笑んだ。
「酷いのはどっちだこのヤロー。
冥土に行きたい?地獄に行きたい?」
「あれ、日向、僕を治してくれるんじゃなかったの?←」
縫い付けられてもなお、
余裕の笑みを浮かべる沖田に
イライラ←
なんだコイツは。
人をイライラさせる天才か。
あたしは、イライラを抑えながら
沖田に向かって言った。
「…分かってると思うけど、
あたしの治癒能力一回だけじゃ治らねぇからな。一時的に症状を抑える程度にしかならねぇ。ただの風邪じゃないらしいし?」
現に、一ヶ月前にかけた治癒能力も
もう全く効き目がなかったし。
「じゃあ、また日向、
治療してくれるの?
…その格好で←」
何故か沖田の目が、
期待に満ち溢れた目をしているように見えるのは、気のせい気のせい←
「…格好関係ねぇだろ。
つーか、あたしが定期的に治療しなくても、あんたが素直に医者に行けばいい話なんだけど。」
あたしがジトッとした目で見ると、
沖田があからさまに嫌そうな顔をした。
「嫌だよ。
近藤さんに心配かけたくないし。」
「いや、すでにかけてるから。」
即座につっこんだ←
「それに、それが不治の病だとしても、
そうじゃないとしても、ただの風邪じゃないんだから、いつかはバレるぞ。」
隠し通す方が無理だ、
と、あたしは付け加えた。
すると、
沖田はうーん、と考えて、
「…まぁ、そうだけどさ。
新撰組もやっと軌道に乗り始めたばかりだから、抜けるわけにもいかない。
だから、しばらくは日向の力で抑えてくれない?」
「あ?あぁ。まぁ、
そうするつもりだったけど。」
…珍しく素直だ←