続・新撰組と妖狐ちゃん!
「覗きちゃうで!
これは副長に頼まれて沖田はんを覗…
見守っとったんや!」
「今、覗きって言いかけただろ←」
きーもーいーと棒読みで言ってやると、
山﨑がガクッと項垂れた。
「…副長…わい心がズタボロや…」
ざまぁみやがれ←
「…つーか、土方テメェ、沖田の事何処まで知ってたんだよ。」
山﨑に見張らせてたとか、
どんだけ←
あたしが顔を引きつらせると、
土方は、あー…と考えて、
「…咳してるぐらいしか知らなかったが。」
と言った。
「え"、そんだけでコイツ使ったのかよ←」
咳だけで!?
「あー…コイツは医学をかじってるからな。つか、それ以前に、テメェらがコソコソしてるのがバレてんだよ。」
はぁー…と土方が大きな溜息をついた。
それに、と土方は続けた。
「普通に考えて、こんなに長く続く咳はただの風邪じゃないだろ。」
…ごもっともです←
「気づいてたんならさ、
医者に連れてけば良かったじゃん。」
あたしがジトッとした目で見ると、
「あ"?何度も連れて行こうとしたわ。
そのたんびに俺が病院送りにされそうだったがな。」
とギロっと睨まれた←
…まぁ、だいたい想像はつく←
あたしが苦笑いしていると、
土方がまたはぁ…と溜息をついて
ふと、真剣な顔になって言った。
「…で、総司の病状は何だと思う。」
病状って言われても、
あたしは人じゃないから分からないんだけどな…←
ていうか、
「…聞いてたんだろ、
労咳ってやつかもしれないんだと。
あたしはよく知らないけど、
…血を吐くのは普通じゃない。」
さっきの部屋で嗅いだ
沖田の血の匂いが蘇る。
でも、それと同時に、
沖田の悔しそうな顔も蘇った。
「…でもさ、あんなに言われたら、
もうあたしからは医者に行けとは…」
あたしの治癒力で抑えるって
言ってしまったし。
とあたしは苦い顔をした。
「…確かにな。労咳だとしたら今すぐにでも療養してもらいたいところだが…」
土方がはぁ…と溜息をついた。
「…今、長州の動きが活発化してんだ。
山﨑にもここずっと様子を探ってもらってたんだがな。今、総司が抜けたら…」
「…確実に戦力は落ちるな。」
いくらあたしが強いといえども、
組長である沖田が抜けたら、
隊士たちの士気にも関わる。
それに、今沖田が弱っている事を知られたら、襲撃を受けるかもしれない。
「…総司には悪いが…
もう少し頑張ってもらうか…」
土方が苦虫を噛み潰したような顔をした。
「…いや、沖田はんなら
喜んで仕事するやろなぁ…」
山﨑もまた苦い顔をし、
「…確かにな…。」
あたしも、また苦い顔をした。