続・新撰組と妖狐ちゃん!


「…まぁ、しばらくはあたしの治癒能力で抑える。けど、人間の病気を確実に治せるとは限らないからな。」


あまりにも、酷くなったら
あたしの手に負えなくなるかもしれない。


そう呟くと、


「…その時は死んでも医者に連れてってやるよ。あいつにはまだ死んでもらう予定はねぇ。」


土方が苦笑いした。


「まぁ、そうだな。
まだ、労咳だと決まった訳じゃないし。
治癒力を使えば、何か変わるかもしれない。」


それに、沖田がそんな簡単に
死ぬような奴だとは思わない。


だって、大魔王だろ?


大魔王が死んでどうするよ。
この世が終わるぞ。←


そう、考えてるうちに、
何となく、暗くなった心に、
明るい光がさした気がした。


まだ希望は、ある。


「…とりあえず、あたしは、
沖田より先に冥土を見てくるかな←」


あたしは苦笑いした。


きっと、バレた事を知られたら、
確実に抹殺される←


あたしが、はぁー…と溜息をついて
立ち上がると、


「あ、」


と土方が思い出した様に言った。


「あ"?何だよ、まだ何かあんの。」


あたしが顔をしかめると、
土方が聞いてきた。


「テメェ、その治癒能力を使うときの格好どうにかならねぇのかよ。」


何故かイライラしている土方←


「あ"?いや別に、怪我とかなら半妖化しないけど、あいつの場合病気だからな。力を多く使うと人の姿保てないんだよ。」


早く人の姿のままでも、
力を余裕で使えるようになりたい←


あたしが顔をしかめながら言うと、
土方がはぁ…と溜息をついた。


「…テメェ、
そのうち総司に食われるぞ。
…耳やら尻尾やら触られて。」


「!?い、いや、あれは別に、」


やっぱし、見られてましたよねー!?


「日向、おもろかったなー?
わいも触ってみt「記憶から消し去るくらいに撲殺してあげよう山﨑。」


「…まぁ、日向の弱点が知れたのは良かったがn「テメェ、妖術修行の実験台になってもらおうか、あ"?」


あたしが顔を引きつらせると、
土方がニヤリと口角を上げた。


「その前に先に食ってやろうか。」


…。


「『縛』」


「ええええええ!!??
なんでわいも!?」


あたしは無表情で二人を
見えない鎖で縛り上げた←


あたしは縛り上げられた二人に近寄り、
黒く微笑んだ。


「あたしがこの姿になるのは、
妖術を使った時だって言うのを、
心にとどめておけ、馬鹿共。」


誰が触らせるかアホ!!!!!


あたしは部屋を去り際に術を解き、
そういえばずっと持っていた土方の刀を、刃の方を土方に向けて返し、
部屋を後にした←


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