続・新撰組と妖狐ちゃん!


そんな事をしていると、
いつの間にか沖田が戻ってきて、


「はい、どーぞ」


線香花火を幹部全員に配った。


どうやら、見つかるも何も、
最初から幹部の皆でやる予定だったようだ。


すると、こちらもまた、
いつの間にか戻ってきていた土方が、


「…おい、まだやっていいとは一言も言ってねぇぞ。」


と、顔をしかめた←
けど、


「え、近藤さんがOKしてくれたんで。
ね?近藤さん、」


沖田が近藤さんを見ると、
近藤さんはニコッと笑って、


「ああ。たまにはいいじゃないかトシ。
こうやって皆で夏を感じるのも。」


最近、忙しかったしな!
と、土方に言った。


何というか…
さすが沖田だ。
用意周到である←
奥の手の近藤さんを出してくるとは←


すると、う"…と土方は押し黙り、


「…ちっ、今日だけだからな。」


と、そっぽを向いた←


…。


恐るべし、近藤さんパワー←


「くくっ…(笑)」


近藤さんには頭が上がらない土方に、
ざまぁみやがれ←
と、背を向けて笑いを堪えていると。


「…。」


日が沈んできて、
だいぶ暗くなっていた屯所。
何故かあたしの周りだけ、
異様に暗くなった←


…。


何でだろう。
何でかなぁ。


「日向テメェ…、さっきのじゃまだ懲りてないようだな。あ"?」


後ろから、
素晴らしい殺気が←


真っ暗で何も見えない。
なら…。


あたしは、
置いてあった蝋燭を手に取り、


「…明かりをつけましょ♫
線香花火にぃいいいい!!!←」


「ちょ!!!テメッ!!!!」


線香花火に火を付けて、
バッと後ろの土方を振り返った。


もちろん、線香花火だから、
小さな花火でそんなに威力は無いのだが…


あたしが勢いよく振り返ったお陰で、


「うわ!危ねえ!!!」


線香花火独特の、
紐の先についている火の玉が、
ピューンっと土方へ向かって飛んでいった←


が、避けられた←


「…ちっ。」


「ちっ、じゃねぇよテメェ。
人に火傷させる気か!!!!」


今にも殴りかかってきそうな土方に、
何か対抗策はないかと瞬時に考え、
思いついたのは…


「じゃあ、火傷しない狐火ならどうだ、
安らかにあの世に逝けるぞ←」


あたしは、
周りに幹部以外いない事を確認し、
ほれ、と狐火を投げつけ、
猛ダッシュで逃げた←
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