続・新撰組と妖狐ちゃん!


「ちょっと待たんかいっ!」


「ちょっと止まろうか?」


蕎麦を食べようとした瞬間、
あたしと蕎麦の間に、
土方のチョップと沖田の刀(鞘付き)が
振り下ろされた←


「んだよ、危ねーな。
蕎麦食っちゃいけねぇのかよ…


…って、何だよ!?」


あたしが顔を顰めながら
土方と沖田を見上げると、2人は、
ゴゴゴゴ…と効果音が聞こえてきそうなくらいのドス黒いオーラを見にまとっていた←


何!?
何をお怒りになってるんだ、
この2人は!?


「ど、どーしたんだよテメェら…」


あたしが顔を引きつらせながら
聞くと、


「…斉藤…それは無意識か?
それとも意図があってやってんのか?」


土方が顔を引きつらせながら言い、


「答え次第では、久々に僕と一戦交えてもらおうか。メタメタにしてあげるよ(黒笑)」


沖田が刀を半分抜きながら
黒く微笑んだ←


どうやら怒りの矛先は斉藤らしい。
怒られる事なんて全くない斉藤が…
…珍しい…。


あたしが3人の様子を眺めていると、
怒りの矛先の張本人、斉藤が、
箸とつゆをお盆に置き、
土方と沖田を見上げて冷静に言った。


「?…俺は日向に蕎麦を食べさせようとしただけですが。」


とても真っ直ぐな眼差しで←


「…本当にか?」


念を押すように聞く土方に、


「さっき見てた通りだろ。
せっかく蕎麦食べさせてくれてたのに。」


あたしは呆れてはぁ…と溜息をついた。


すると、何故か、


「「「「「はぁ…。」」」」」


土方と沖田、そして三馬鹿までもが、
一斉に溜息をついた←


「何だよ、真似すんな。」


あたしが顔をしかめると、
土方が額に手を当てて
また溜息をついた。


「斉藤は前々から分かってたが…
テメェも結構あれだな…」


「あ"?あれって何だよ。」


あたしが土方を睨むと、
沖田が人差し指を立てて言った。


「天然って事。
一くんはいい人過ぎて天然。
日向は…馬鹿過ぎて天然??」


「いや、聞かれても困るんだけど。」


それにあんたよりは馬鹿じゃないし。
と、沖田をじとっと睨むと、
沖田は何だか不気味な笑みで
こう言った。


「じゃあ、よく考えてみてよ。
日向は蕎麦を食べようとしたよね?
自分の箸じゃなくて一くんの箸で。」


「あー、うん。
そうだな…ぁああああああ!!!!」


ズサーーーッ


あたしは気づくと同時に、
部屋の壁際へと一気に後ずさった←


それは斉藤も気付いたらしく、
あたしと真反対の壁際へと
勢いよく後ずさった←


「理解すんのは早いんだな…」


「天然も楽じゃなさそうだねw」


とりあえず、
斉藤がライバルでない事に
ホッと胸を撫で下ろした土方と沖田に、


((…ふぁいとだ、2人とも…!!))


心の中で同情する
原田と永倉であったw←

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