†あたしだけが知ってる† ~どうしようもないくらい好き~
  翔太!!何言ってんの?!


  「・・・・・そうなのか?」


  「えーっと、んー。。
  みんなから好かれてるけど、
  一ノ瀬にとってはそれが
  うっとおしいのかなって。


  『お前ってやっぱり俺等とは
  違うよな。頭いいし、運動も
  すごいし!!うらやましい。』


  って誰かが言ってたとき、
  ほんの少しだけど、辛そうに
  見えた。


  ごめん!!ものすごいハズレ?!」


  
  一ノ瀬はビックリした顔をして、 
  やっぱり辛そうな顔で言った。


  「俺さー、、親が厳しいんだよな。
  いつも完璧でいろって。そうなるように
  教育されてきて。サッカーだけは自分
  の意思でやってるんだけど。


  みんなに『すごい』って言われるたびに、
  自分だけ違うんだっていわれてる気分に
  なる。すごく。


  俺はグループで行動とか全然
  しないし。誰とでもいるみたいな。
  好いてくれてても、『一緒』には
  なれないみたいなんだよ、俺って。


  何でも出来るから嫌なんだって。
  頼りにしてるけど、『友達』は
  無理だって。見下されてる気分に
  なるんだって。


  本当はさ、そんなんじゃないんだ。
  もっと普通で、つまらない人間で。
  すごくなんかない。誰も俺を知ろう
  とはしなかったし、俺も伝えようと
  しなかったから。」


  
  「それは・・・誰が?」


    
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