†あたしだけが知ってる† ~どうしようもないくらい好き~
  「誰に言われたかはもう
  覚えてないけど、それが今でも
  残ってるみたいでさ、なるべく
  普通に見えるようにしてる。」

  そんな・・・・ことが。
  
  痛いぐらい分かってしまうから。
  悲しくて。


  親に完璧を求められることが、
  どれほど疲れるのかを知っているから。


  完璧で居なければいけない
  悲しさをしっているから。

  
  そうでなければ必要じゃないんだと
  思っていたから。怖くて。
  

  理解してもらえないことは
  悲しくて。苦しくて。もどかしくて。

  それは辛くて悲しいことだから。

  分かって欲しくて。
  でも、伝えるだけの勇気と気力は
  なくて。それでも必死で伝えた
  のに伝わらなかったときの虚しさ。


  痛いぐらい分かって。
  どうしようもなく悲しくなった。


  自分を見ているようで、
  悲しくて、痛くなった。


  もし、覚悟を決めて話した相手が
  翔太じゃなかったら、今あたしは
  こうして二人の前にいられたのかな。


  悲しくて、切なくて、
  翔太にありがとうって思って。


  「何で、藍堂が泣いてるんだよ?!
  別に俺は平気だから、泣くなって。」


  気付いたらあたしは泣いていて、
  一ノ瀬が慌てていた。


  翔太が口に人差し指を当てて、
  一ノ瀬に喋らないように合図して
  くれていた。


  あやすように頭を撫でてくれたから
  ほっとして、また涙が出た。


  

  

  
  



< 101 / 142 >

この作品をシェア

pagetop