†あたしだけが知ってる† ~どうしようもないくらい好き~
  【翔太side】


  「普通こんな所で寝るか??」


  学園祭準備で教師も居ないとはいえ、
  仮にも授業時間だぞ???


  幸せそうに眠ってる顔を見たら、
  起こす気にもなれず。


  昨日はいろいろあったみたいだし。


  「翔太??どうした?・・・って
  藍堂なんで寝てんだ?!」


  「あ~大地か。。。昨日優姫の家に
  親父さんの車止まってたから、また
  引っ張りまわされてたんだと思う。
  偉い人達の食事会とかに絶対優姫
  連れてくんだよ、、あの人。。。」


  一ノ瀬の顔が少し曇る。


  「そっか。大変だったんだな。」


  「お前はどうなんだ?大地の家も
  親が厳しいんだろ??」


  「相変わらずうるさい。けど、
  『藍堂も頑張ってる』と思えばそんな
  大したことねぇし。藍堂の方が大変
  なんだしな。。。。。」


  「大地、、、優姫はお前に
  『あたしの方ががとかそんなんじゃない』
  って言ってただろ??比べるなよ。。」


  「分かってる。けど、実際アイツは
  大変そうだと思うだろ??」


  「ああ。そうだな。」


  やっと親から離れて一人になれても。
  定期的に現れる親父さん。その度に
  優姫がどんな思いをしているのか。
  俺には計り知れない。


  「それに俺には、翔太と藍堂がいて
  くれるし。。本音を話せる二人が
  いるから学校では気負わなくて済む。」


  そんなことを笑顔でいう大地。
    
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