カタキに恋をした。
─────…昼休み。
「ねぇ、ちょっと。」
キター
「あのさ」
ムリムリムリ、絶対無理だから!
「調子乗ってんじゃねぇよブスが!!」
こんな怖い人たちと、話し合いなんて無理!
…今あたしは、トイレの隅に追いやられている。
なんなんだ、ほんとに。
そもそもあたしがなにをしたって言うんだ…!!
不満を心の中でぶちまけていると、中心の金髪の女子が言う。
「テメェマジうざいんだけど。
どーやって近付いたかは知らないけど、アンタのせいで雲龍の評判が落ちるのわかってんの?
そのオツムじゃわっかんないかぁ~!!」
後に続いてげらげらと笑う後ろの集団。
合わせて…7人か。
「ごっ、ごめんなさい…
でも、あたし他の族にねらわれてて、」
「アンタ、そー言って時雨サマを騙したんだ。
そりゃそうだよね、時雨サマがこんな趣味な訳ないし。
そもそも雲龍は、困ってたら助けてくれるもんねぇ~?」
…なんか喋り方が腹立つな。
「違います!
ホントのことなんです…!」
「はァ!?
どっちでもいーわけ、ウチらには。
とにかく、テメェが邪魔なの!!
視界に入れたくないの!!
分かった!?」
「無理なものは無理で…」
「ふぅん、断るんだ。
別に、いいけど。」
いいのかいっ!!
なぁんだ、じゃあラッキー♪
そんなあたしの考えは、とてつもなく甘すぎた。
「ウチは『香戦(カセン)』ってゆーレディースのトップやってるわけ。
まぁ、内緒だけどね。
アンタぐらい、てきとーにひねりつぶせんのよ。
命が惜しかったら、おとなしくしときな。」
いや、脅しですか!?
怖っ…
怖い怖い!!
「わかり、ました…」
さすがのあたしも、脅しには屈する。
だって怖いもん!!
でも、
カズサは脅されるの嫌いだから…
“コイツ、『レディース』なのね?”