カタキに恋をした。
**カズサside**
まったくもって気に食わない。
なぜあたしが脅されなければいけないのかしら?
本当に腹立たしい。
こんな、小娘ごときに。
『アナタ─────…
これは、宣戦布告よ。』
そう言って、自分は総長だ、と名乗る金髪の女以外を気絶させる。
あっけないわね。
『…今、はっきりと聞いたわ。
香戦、ね。
いい?
…今宵、月が沈む晩。
アナタの所へ行くわ。
神の怒りを買った者は
その身で制裁を受けるがいい。
今宵きっと
アナタの元へ参るから
それまで怯えて
待ってなさい。』
足の力が抜けたのか、へたり込んだ金髪の女を見下ろしながら言って、それから意識を引く。
最後に見た女の顔は、化け物でも見つめるかのようだった。