【短編】キラキラ赤ずきんとドSオオカミ
「賢斗ー!」
紺藤はニコッと笑い、俺の方へ走って行った。
紫のメッシュがさやさやと揺れる。
紺藤は郁には及ばないけど可愛い。だが性格がうざい。
そこに一種の残念さを感じる。
紺藤と絡むのはめんどくさいな。
近寄んなメッシュ。
どうやって回避しよう。
・・・あ!
メッシュに対する嫌な思いが一瞬で吹っ飛んだ。
いい事を思いついたからだ。
郁が前にいる。俺に言い寄るメッシュもいる。
郁の前でメッシュとイチャイチャすれば、郁は俺の事を嫌いになるかもしれない。
「よっ、梨絵」
メッシュは俺の目の前で止まった。
アイツは名前で呼ばれないと気が済まない奴だった。