【短編】キラキラ赤ずきんとドSオオカミ
「大神くん、寝ちゃったか・・・」
郁の透き通った声が聞こえる。
俺はうっすら目を開けてみた。
「こんな所で寝ちゃったら、風邪ひいちゃうよ」
郁は困った声を出しながら、顔は嬉しそうだった。
赤ずきんは俺の手を離し俺の正面にしゃがむと、自分の着ていたずきん・・・いや、ブレザーを俺にかけた。
「これで大丈夫かなっ」
郁はそう言うと、また俺の手を握り、顔をにこにこしながら見た。
「かっこいい寝顔だな。もっと好きになっちゃうよ」
そう言いながら幸せそうに微笑む郁に俺は何かが我慢出来なくなって、
気が付けば、郁を自分の近くへ引き寄せていた。