【短編】キラキラ赤ずきんとドSオオカミ
「お前が悲しい思いをしたのも、全部知ってるから。わかるから。ごめん郁」
抱き締めたまま謝るなんて、少し失礼な気もする。
でも、郁も全力で抱き締めるから、どちらにせよこの体勢しかなかった。
「やきもちやいたの、ばれちゃったか。恥ずかしいな」
「郁のそういうところが可愛い」
「デートする時間が無くなっちゃったね」
「今日は帰宅デートしよ。家まで送るよ」
「やった♪回り道しちゃうね」
「勝手にしろ」
「明日からまたいじわるするの?」
「するかも」
「じゃあ今度こそ美味しいお弁当作るからね!好きだよ。大神くんっ」