【短編】キラキラ赤ずきんとドSオオカミ
「その代わり、いじめるからな。嫌になったらすぐ別れろよ」
「ううん。好きだから別れない!」
赤槻は俺の手をぎゅっと握った。
屋上の寒さのせいか、指先が冷たい。
「とりあえず寒いから教室行っていい?」
「うんっ」
「あと、郁って呼ぶから」
「はいっ」
俺は教室へ向かい、歩き始めた。
赤ずきんは赤面しながら俺の後ろをちょこちょこ歩いている。
俺が赤ずきんをいじめて、赤ずきんから振るようにすれば、俺は赤ずきんファンクラブから目を付けられる事無く、平穏な一匹狼になれる。
早く嫌いになってくれないかな。
なんて思いながら後ろを歩く郁を見た。
嬉しそうににやにやする郁。
不覚にも可愛いと思ってしまった。