【短編】キラキラ赤ずきんとドSオオカミ
赤ずきん狼
「不味い」
「ホント?じゃあ今度はカツオ出汁で作るね」
嘘だよ。卵焼き旨いよ
付き合い始めて1週間。
誰も使わない校舎の教室では俺と赤ずきんの2人しかいない。
俺たちは一応、秘密の恋人同士である。
郁は昼休みになると俺に弁当を作ってくれるようになった。
毎日の昼食代が浮くし、それに、郁の弁当は美味い。
それを「不味い」と言うのは少し辛かった。
それに、郁との時間に癒しすら感じていた。
まだ手は繋いでない。郁も恥ずかしがり屋だからか触れようとしなかった。
そんな郁も可愛かった。
付き合ってみると、改めて赤ずきんの魅力に気付く。
あ、ダメだ。
嫌いにならないと。