アイシテルSS
こんな風に伸也さんと話をしていると、段々と昔の感覚を取り戻してきている。
いつだって、命令口調な伸也さん。
でも、その中にも気付きにくい優しさが含まれている。
私はそれに気付くたびに、伸也さんの温かさを全身で感じるんだ。
「なんか、久しぶりすぎて変な感じだな」
会話が途切れ、少しの沈黙が続くと、伸也さんは頭を掻きながら立ち上がった。
「私は段々と落ち着いてきたかな。まだ、混乱していることのほうが多いけど」
「やっぱり大人になったな」
「えっ?私?」
窓際に立ったままの伸也さんは、私に背を向けたまま。