アイシテルSS
街を仕切っていたときのように、クールで怖い伸也さんも格好良かったけど、私の前だけで見せてくれる、少しお茶目な伸也さんも大好きだ。
“伸也さん”っていうだけで、何もかもが愛しいんだ。
「今日は泊まっていけるか?」
「えっ?今日?」
「嫌ならいいんだ」
「嫌じゃないよ。でも、着物だから、着替えがない」
「そんなの買いに行けばいい」
「じゃあ、家に連絡いれてみるね」
私はソファーの横に置いた鞄の中から携帯を取出し、ママの携帯に電話をかけた。
親が決めたお見合いなんだし、お互いがいいなら、このまま婚約になる相手。
だから、外泊の許可はすんなりとおりた。