アイシテルSS
私の大学卒業まで、後一年をきった今、そろそろ決断をしなければいけないのはわかっている。
でも……
庭付きの一軒家の資料はもう必要ないから、テーブルから降ろし、床に積み上げて行く。
さすがに、今から一軒家を建てる時間はないだろう。
始めから一軒家を選ぶつもりはなかったけれど……
マンションだけでも、こんなにあるんだ。
出来るだけ、伸也さんの会社と私の実家が近いところの物件にしよう。
と、いつもここまでは絞れるけど、ここから先が進まない。
「伸也さん」
「あ?」
やっぱり機嫌が悪いよね。
「伸也さんの希望はないの?」
「亜美の住みたいところがいい」