アイシテルSS
「亜美ちゃん、俺は全然寂しくないよ」



「そうなの?」




「そうなの。俺には慰めてくれるお姉さん達が沢山いるからさ。選び放題だし!!」



「そっか~間違っちゃったね」



「気にしなくていいよ」



他の奴にこんなこと言われたらムカついて口なんてきかないんだけど、亜美ちゃんは特別で、亜美ちゃんの過去を色々と知ってるからか、優しくしてあげたいって思うんだよな。



なんかさ~ホントにコイツらは生きてる世界が違うつーか。



俺は、この街に出入りして店なんか任されてるけど、過去に何かあるわけじゃないし、暗い過去のせいでぐれちゃったわけでもないんだ。



両親は健在で父親はサラリーマンでかぁちゃんは専業主婦。



年の離れた姉ちゃんがいて家は割りと放任主義。



ただ、姉ちゃんができ婚して、金がないから少しの間姉ちゃん家族が同居した。



旦那がいるとやっぱり気使うし、甥っ子は一日中ギャアギャア泣いてるし、狭い家だったから疲れたんだよ。



甥っ子の夜泣きに若干ノイローゼ気味だったから、シンの所に転がり込んだってわけ。



この街に出入りしたのだってモテたかっただけだし……
< 57 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop