アイシテルSS
そんな奴らはさ、好きな奴ができると、異常なくらいに好きな奴を大事にする傾向にあんだよ。



まぁ、俺の周りだけかもしれねぇけど、あれは異常だ。



康さんにしたってシンにしたって、こたぁや他の奴らも異常だ。



今度は好きになった女のために自分の“生死”を委ねるんだからな。



康さんなんて、レイカさんのために実際死んじまったしな。



「勘違いってか、早とちりしちゃってごめんね、遼ちん」



「もう、いいって!!亜美ちゃんになら何言われても許しちゃうし?!ハハッ」



「遼のことなんか気にしてんな。二階行くぞ」



ヤキモチかよ?!



街を仕切ったなんて言われてた男のくせに、器が小せぇな。



「伸也さん!!そんなこと言わないで。遼ちんは特定の彼女がいなくて、毎晩違う女の子と遊んでる自分を虚しく思ってるんだから!!」



「えっ?!亜美ちゃん?はっ?!」



「ん?」



「いや、それは勘違いだって……」



「寂しいのが勘違いだった。遼ちんは虚しいんでしょ?」



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