アイシテルSS
大声を出しているせいか、一気に喋っているせいか、呼吸が乱れて言葉が続かない。
それでも、まだ言い足りない私は深呼吸をして、再び言葉を続ける。
「2人の新居なのに、どうして私1人で決めなきゃいけないの?!最近は伸也さんに会う度に、マンションの資料を見せられて、まともな会話すらしてない!!どこかに連れて行ってくれるわけでもないし!!」
久しぶりに見る、伸也さんの鬼のような表情。
まともに見たら、絶対に怯んでしまう。
だから、なるべく伸也さんの表情は見ないようにしていた。
「私はただ、2人でいれるなら、どこだっていい!!狭くたって汚くたって、どうでもいいの!!」
言ってやった。
「ハァハァ……」
呼吸が乱れて苦しいけど、今まで溜め込んでいたものを、吐き出したお陰でスッキリとしている。