もう君を離さない...。
私は風邪をひいてたから初めて教室に入った
どうやら私の席は窓側の一番後ろ
前の席は残念なことに聖菜じゃない
聖菜は私と正反対の席
「ねぇ、私の前と隣って誰?」
「それはお楽しみだよ」
いたずらをする子供のような笑みで聖菜が言うから
凌牙なのかな...って思ってた
キーンコーンカーンコーン....
席について回りを見ると
凌牙は教室のど真ん中の席に座っていた
それはそれで授業中とか困るような気がするけど
じゃあ隣は誰なんだろう
「起立、礼、はい着席」
先生の号令が終わった瞬間
ガラガラ...
「遅れましたー!!!」
目に飛び込んできたのは
栗色の髪で目は女子が羨ましがるほどの二重
どっちかというと可愛い系
笑顔は太陽のような男子が入ってきた
「遅い!遅刻だ公平!」
公平くんかー
うん悪くないと思う
名字は何て言うんだろう?
「いいじゃんいいじゃん!気にしなーい!」
そのテンションのまま私の前の席にすわった
「あ!君が真由ちんだね?」
「ま、真由ちん...?」
話したこともないのにいつの間にか
“真由ちん”ってあだ名がつけられていた
この子はきっと誰にでもこんな感じなのだろう
「俺は松山 公平!
名字以外だったら何とでも呼んでくれて良いぜ!」
ニカッッと笑う彼の笑顔は
きっと枯れることはないんだろうな
ふとそう思った