もう君を離さない...。
「真由ちんのことはねー。一度だけなんだけど、あっくんから聞いたんだよ!」
あっくん?あっくんって誰のことだろう?
私の周りに少なくともあっくんと呼ばれている人はいない
だから、このあだ名はまた、彼の個性的なネーミングセンスからきてるんだろう
にしても、私ってそんな喋られるようなことやったっけ?
「なんかねー。変な奴だって言ってたよ」
絶対私その人の印象悪いじゃん
なんかしたかな・・・最近は私静かなのに
「あとはねー・・・自分と同じ顔をしているって言ってたかな」
その人と私が?
ってことはあれか
世界に三人は同じ顔の人がいるってやつの
二人が揃っちゃったってことか??
「あ、ちなみに顔が似てるとかそういう話じゃないよ?」
「え?・・・うん、わかってるよ」
あ、そうだったんですか
私はてっきりソックリさんなのかと思ったよ
知ったかぶりばかりするのはダメだなって思ったから
「それで、あっくんっていうのは誰?」
と聞くと
「誰?って・・・知らない?ほら今あそこのドアにたってるやつだよ」
公平くんがそう言った瞬間
「遅い!!!何度遅刻すれば気が済むんだ!時雨!!!」
「うっせーなー。来てるんだからいいじゃねーかよ!」
制服を少し崩して着てて
すごく眠そうでだるそうな時雨くんがドアの前から先生と喧嘩?していた
「またいつものかよー」
「いい加減両方学べよなー」
クラスの人たちの言うとおりだと思う
どちらも少しは学べ!!
心の中で叫んでいたらいつの間にか
「あれ?二宮お前隣だったんだな」
時雨くんが私の隣の席に座っていた