冥王星2006~仲間からはずれても~

本当ならローウェル博士にいちばんに報告したいところだが、博士はもういない。

この天文台にいるのは自分だけだ。

そのことを淋しく感じながらも、興奮気味に受話器をとり、電話する。

「もしもし?!かあさん、おれだよおれ、見つけたよ!冥王星を!太陽系の第9惑星を!おれが発見したんだよ!」

言いながら、すこしだけ、涙が出そうになった。

ああ、これを、この言葉を、博士に言いたかったから、ここまで頑張って来られたんだよ。博士。
< 13 / 54 >

この作品をシェア

pagetop