冥王星2006~仲間からはずれても~
クライド・トンボーって?あのクライド博士か?こんな小さな少年が?

「俺が言いたいこと、それは…!」

演説台のとなりうしろに控えめに立っていたカロンが小さくきく。

「それは?」

「それは…! ………なんだっけ」

カロンがずっこけた。

「博士!」

「うう、俺本番弱いんだよう。人前に立つの苦手なんだよう。頭ん中が真っ白だあ!」

「もうっ!博士、じゃま!」

カロンはクライドを押しのけて演説台の真ん中に立つと、流暢に話し出した。

まるで、何年も前から原稿を考えてあったかのように。
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