死の携帯電話-ForeverLove-【完結】
長く振り乱れた黒髪。

白蛇(はくじゃ)のように白く滑(ぬめ)り気を帯びた肌。

鮮血のように赤々と輝く瞳。

耳まで裂けた口の中では異様に長い真っ赤な舌が蛇のようにチロチロと乱れ踊っている。

月島麗子はヌルリとガラス戸を通り抜けると部屋の中へと入って来た。

そのまま空中をゆらゆらと漂う。

僕は凍り付いたようにピクリとも動けなかった。

魅せられたかのようにその姿をじっと凝視する。

なんと禍々しく恐ろしい姿なのだろうか・・・。

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