死の携帯電話-ForeverLove-【完結】
それから、月島麗子は何度も何度も執拗に結界に体当たりして来た。

しかし、どう足掻(あが)いても冬子さんが張った結界を破る事は出来なかった。

月島麗子が長く激しい怒りの咆哮(ほうこう)を発した、その時だった。

「いい加減しなさい」

冬子さんの凛とした声が響いた。

「お姉ちゃん・・・」

月島麗子が一瞬ひるむ。

「もう、止めなさい・・・」

冬子さんの目に涙が溢れ出した。

月島麗子がキッと冬子さんを睨み付ける。

「何よ。

お姉ちゃんには私の気持ちなんて絶対に解らないわ」

冬子さんが声を励ます。

「いいぇ、痛いほどよく解るわ・・・。

あなたの、痛み、苦しみ、悲しみ、怒り、憎しみ・・・。

全て、自分の事のように感じるわ」
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