ご主人様に恋をしたっ!!【完】
大きな二重の目を満足そうに細めた水月くんが、よしよしとあたしの頭を撫でてくれる。



「でも、“一颯サマ”は勘弁。
学校中の女がそう呼ぶけど。
チーちゃんには、やめてほしいな」



「……………」



その言葉の意味を、どんなに勘違いしたくても。



「じ……じゃあ。
ご主人様……」



あたしは、水月くんの彼女じゃない。



だから、“一颯”とか“一颯くん”とか、呼ぶことはできないよ。
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