はるこの遅咲☆妄想日記
7 思い出って
#7 思い出って



一人になるとふと思う。

思うんでなくって・・・

思い出す。

別れた彼氏のこと

歴代の彼氏のこと

2人で行った場所や

したこと

彼の台詞・・・

そんな思い出に浸っていたら

目の前の人を見失いそうになった。

「付き合ってくれないか・・・」彼はもうこうして2か月も私に求愛している。

「う・・・うん・・・」私はいっつもこればかりで・・・

「なんでウン!って言えないの?」とうとう、彼は苛立ちを見せ始めた。

「だって・・・」今は彼氏が欲しくないのか?

別れてすぐ次ってアリ?

私は、悩んでいた。

まだ終わった恋をうまく消化しきれていなかったから

散々泣いて・・・思い出の品も処分して

そんな私の痛々しい姿を彼はずっとそばで見てきた。

「まぁ・・・落ち着いてよ」私は今晩も彼と呑んでる。

唯一、深酒しても安心できるのは彼しかいなく・・・

夜な夜な、酒と恋バナに付き合ってくれるなんて

ありがたい存在だった。

冷酒はスーッと体に沁みた。

水のようにサラッと喉越しがいいから。

でも、次の瞬間カーッと沁みて

ボッと点火するかのように私の体内で疼きだした。

「大ちゃん・・・もうダメ~」

泣き崩れるのも程々にしておけばよかったのに

この日は、安心な彼、大地くんを戸惑わせる行動をとってしまった。





< 23 / 73 >

この作品をシェア

pagetop