クビガナイ。


「あ…」

少女が消えた。
という事は…

「何…?莉沙?」
「道、終わったね。ほら、墓地だよ…」

道の少し先。
木々に囲まれた暗闇の道の先に
ぼんやりとした月明かりが見えた。




墓地だ。






「…明るいね。」
「ん…さっきよりはな。
…月明かりだけか…。電灯の1つもねぇな。」

隼人が周りを見渡して言う。
木々がなくなったから、
さっきよりも月明かりが差して周りが見える。
思っていたよりもうんと広い。
…そして古い。

登ってきた道以外は崖で、
周りは木の柵で囲まれている。
もっとも、その柵も腐っていて脆そうだ。

隅っこに…事務所だろうか?
ガラスも割れて、使われていないのが見てわかる。
あとは見渡す限り墓。墓。墓。
墓石が倒れていたり、地蔵がくずれていたり…
何の手入れもされていなく、あれ放題だ。

「そこの中入ってみようぜ。」

綾希が事務所を指さす。

まぁせっかく来たんだしね。
女の子が私達を連れて来たってことは
ここに必ず何かあるはずだし…。

私達は半開きになったドアから事務所に入った。
中もやはり荒れ放題だった。
学校の教室くらいの広さだろうか。
真ん中にデスクが4つ、
部屋の角には監視カメラのモニターがあった。
ただし、デスクの上は散らばり、書類なども床に散乱していた。
椅子は倒れ、天井の電気は割れている。
モニターや冷蔵庫はもちろん、
電気の類は通っていないらしい。

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