クビガナイ。
この村には1年間来てないだけだけど
変わってない皆が嬉しかった。
「おじゃましまぁす♪」
「いらっしゃい〜、
莉沙ちゃんお久しぶり」
「こんにちは、お世話になりますっ」
有衣のお母さんは優しくて
小さい時からお世話になってる。
家についてからあっという間に時間は過ぎた。
話したり、ゲームをしたり、ご飯食べたり…
外はもう真っ暗だった。
夜の23時、リビングには皆が集まって
映画鑑賞の準備が進められていた。
「いよぉしっ!
カーテン閉めた!毛布おっけい!
ジュースおっけい!ポップコーン大量!
あとは電気だけ!
…て、
あんた達何持ってんのよっ」
「え?酒。お前の親父がくれたんだぜ?」
さらっと答える綾希。
「はぁ!?こんなに!?」
目の前には10数本の缶。
男子軍は飲む気満々らしい…
「まぁまぁ、良いじゃん?
早く観ようぜ。
紫月電気消してくれるー?」
「はいよぉ」
…パチッ…フッ…
隼人の言葉でリビングは
テレビの光だけになった。
「ひぃぃゃぁぁあう」
「ビビんの早いよみゆ…」
笑ってつっこみながらも、
女の子らしくて可愛いなぁって思う。
「じゃ、再生〜♪」
そして始まった映画。
主人公とその友達の数人が
墓地で肝試しをするところから始まった。
そこから主人公達は霊の怨念に巻き込まれる。
そんな映画を見ている間も、
綾希に進められて有衣が酔っ払ったり、隼人がポップコーンひっくり返しちゃって皆で爆笑したり、怖くて泣いたみゆを紫月があやしたり…
かと思うと綾希と有衣がイチャイチャしてたり…。
そんな皆を見ながら楽しいねって
隼人と笑い合って。
今思えば、
これが皆で笑い合った最後の日だった。