クビガナイ。
「うわ…何だこれ、気持ち悪ぃ。」
隼人も降りてきた。
「なんか…暑くない?
さっきも暑かったけど…違う感じ…」
「これ絶対やばいよぉ、帰ろぉお…」
確かに有衣の言う通り。
さっきまでも暑かった。
でも、時々吹く風が心地良い、
爽やかな暑さだった。
ここは何か…空気の動きが無く、
ネットリと肌にまとわりついてくる様な暑さ。
息苦しい。
「ここまで来たんだから行こうぜ?」
「うぅ…」
「行って帰るだけだし、
なんも起きねえって!」
本当にそうだと良いけど…。
綾希に限って何もせずに帰るなんてまずない。
結局最後まで行く事になって、
私達は重い足を進めた。
ここがヤバイ所なのはもういるだけでわかる。
風が全くないどころか、
歩いているのにライターの火が揺れない。
皆も気付いて歩いてるんだと思うけど…