*約束期限*
*瞬side*
俺は今朝早く目を覚ました。
先生も、こんなに早くはありえないと褒めてくれた。
…まあ、一時だけの命なんだろうけど。
親とは特別に朝逢えて、俺が大丈夫そうなのを確認して昼前に帰っていった。
それとほぼ同じ時間に、看護師さんが伝言を伝えてくれた。
「涼介くん、って人からです。もうすぐアイツ来るから。前言ったこと忘れんなよ。だって」
「あ…ありがとうございます」
看護師さんは何か悟ったようににやにやとしている。
この前言ったこと…な。
その伝言通り、11時に部屋のドアがノックされた。
寝ている…ふりをした。
ちょっと騙そうっていうからかい半分で。
「あのね…ずっと、寂しかったよ。いままでずっと一緒だったわけじゃないのに、そんな気がして。だから会えなくて悲しかった。会いたかった…」
俺も。って伝えたら、かっこ悪いかな笑
「急に現れたくせに、急にいなくなって。また出てきて…」
声が震えている。
目を開けたいけど、タイミングが悪い。
「ばか…いなくなっちゃやだよ…
ずっと一緒にいたい。思い出だってまだ、作ってないよ」
今すぐ楠木を抱きしめたい。
いろんな記憶が頭を巡る。
初めて会った日、教室で二人になった日、体育祭でのこと、クリスマス…
まだ足りない。
ごめん。
ごめんな。
「死んじゃやだ…」