*約束期限*
*涼介side*


あいつ、どこ行ったんだよ!

俺と真衣は同じ委員会で、HR前に収集が入っている。


「なあ、美月」


珍しく席に座っている美月に声を掛ける。


「ん?」

「・・・なんだよ、ニコニコして」

「いま楽しいから」


たまによくわからない事を言う。

まあそれはスルーして。


「真衣しらね?」

「えっ、真衣?」


すると、彼女は何かを面白がるように微笑んだ。


「ん~、わかんない!」

「ぜってえ知ってるだろ!」

「じゃあヒント」


美月は人差し指を唇に当てた。


「この学校でいっちばん人通り少ない廊下に行けば、いいもの見れるよ」


俺はその言葉を鵜呑みにして、ちょっとワクワクしながらその場所に向かったのだ。

・・・しかし、現実を見てしまった。



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