*約束期限*

*真衣side*


桜庭くんに会ってから、二日が経った。

今日は涼介も一緒にお見舞いにいく予定だ。


「ごめんね、美月。ずっといってなくて」

「ううん。これは桜庭くんの問題じゃん!そんな謝らないでよ」

「うん、そうだね」

「おーい真衣、いくぞ!」


教室の扉から、涼介が声をかける。

美月は少し頬を赤らめた。


「じゃ、行ってらっしゃい!」


美月に手を降られ、涼介と二人で教室を出た。




「瞬、やっぱりだいぶ悪いのか?」


涼介の問いかけに、こくんと頷く。

そうか、とそれ以上は聞いてこなかった。


病院につき、前と同じ部屋に行く。

廊下はいつもと変わらず殺風景だった。

なにも変わることはない、真っ白の病院。


ーーコンコン


部屋をノックする。

桜庭くんの返事が飛んでくるかと思ったが、一向にない。


「…開けてみる?」

「そうだな」


あたしはドアを横へ引っ張った。

ーーが。


「え?」




変わらぬ風景が、ベッドに寝ている桜庭くんが、そこにはなかった。


部屋は、ただただ真っ白な壁だけだった。

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