*約束期限*
*涼介side*


ひっそりとした廊下に、男女の声が響く。

よく耳を澄ませば、それは聞き覚えのある声で。


「おっ」


視界にまず入ってきたのは真衣だ。

こんなところで何やってんだか・・・。


「おまえ・・・」


言いかけてやめた。

一緒にいる奴が目に入った。

・・・瞬。


「交換しよ?」

「なんでそんな・・・」

「だって、面白いし」


何も隠していなそうな、少年の笑顔を真衣に見せる。

もちろん彼女は動揺をしていて。

だけどそれに瞬は気づいていなくて。


・・・なんだこの天然コンビ。


俺は二人の間に割って入ることにした。
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