*約束期限*

*真衣side*


「入院...?」

「そ。アメリカに、俺の病気を治せるかもしれないってところが見つかって。俺がいつどうなるかわかんないから即急にってなって、伝えられずにアメリカに行ったんだ」

「看護師さん、旅立った、って言ったから...あたし...死んじゃったかと......」

「えー笑 まあ、連絡しなかった俺も悪いよな」


ごめんごめん、ってまた頭を撫でてくれる。

その度、涙は収まらず逆に溢れてしまう。


「うっ...よかった、無事で......」

「ありがと。」


桜庭くんは、あたしの涙が収まるまでずっと頭をなでていてくれた。

時々、寒そうにあたしを抱きしめながら。



しばらくして落ち着いて、2人で横に並んでもう日が沈んだ海の境界線を見つめる。


「...なあ楠木」

「ん?」


握っていた手を、さらにぎゅっと強く握り締められる。


「約束、しよう」

「約束...?」

「そう。約束」


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