*約束期限*

*真衣side*


桜庭くんの次の言葉を待つ。

その間、新たな桜庭くんをたくさん見つけた。

前より少し伸びた前髪、くっきりとした二重、手術の跡か、うっすら左耳の上あたりに見える線ーー

すべてが、いとおしい。


「この先何があっても、俺は真衣から離れないし、真衣も俺から離れない。

なにか悲しいことがあったら、2人で半分こ。

嬉しいこともな。

どっちかが辛くて倒れそうな時は、支えよう。

...あ。あと、名前で呼ぼう笑

んーそれから...」


桜庭くんは、おもむろにさっきのテディベアを取り出した。


「俺といつか、一緒になって。」


見るとクマちゃんの首には、指輪の通されたネックレスーー

パッと顔を上げる。

らしくない、顔を赤くした桜庭くんがそこにはいた。


「え、え...桜庭、くん...」

「だーめ。瞬、だろ?」

「っ// 瞬...」


やっと泣き止んだのに、また温かい涙がホロホロ落ちてきて...


「...ほらもー、すぐ泣く」


親指で、頬を伝う涙をさっと拭き取る。

そのまま顔を手で包まれ、そっと...キス。


「...瞬?」

「んー?」

「あたし、いま、すっごい幸せ...」


ぎゅっと、これでもかってくらい瞬を抱きしめる。

伝わってるかな、幸せだって気持ち...。


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