*約束期限*
*真衣side*


HRもとっくに終わり、三時間目の授業中。

・・・なのに。

視線を隣に向ける。

涼介は、いつになっても帰ってこない。


「さぼりかな」


ボソッと呟いて、窓の外を見た。

ここからはあたしたちの住んでる町が見える。

冬のきれいな海とか。


「ん・・・?」


右のほうに、北館の屋上が見える。

角にある教室からしか見えない。

そこに、人影。


「誰だろ」


その人は、背中をこちらに向けている。

両手を広げ、今にも飛び降りそうな――


「えっ!?」


私は思わず立ち上がる。

一斉にみんなの視線が集まる。


「どうした?」

「あっ、あの!お腹痛いんで保健室行ってきます!」


そう言って、全速力で廊下を走った。

・・・まだ、間に合うことを願って。

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