*約束期限*
*真衣side*



液晶画面には、知らない番号が並んでいた。

誰だろ。


「・・・もしもし?」

『あ、やっと出たー。誰だ?』


このテンション、一人しかいないや。


「桜庭くん?」

『すげー、正解!』


正解はいいんだけど、なんであたしの番号知ってるんだ!?


『んっとねー、友達に聞いた』

「ええ!?」

『楠木の思ってることくらい、わかるし笑』


すごいバカにされた気がする。

ちょっと不愉快を覚えながら、ケータイを持ち直す。


「またなんか用でしょうかっ」

『うん。明日の朝さ、一緒に行ける?』

「え、明日・・・?」

『確かめたいことあってさ』


特に断る理由もないんだけど、進んでいいよって言えないや。

・・・桜庭くんといると、ろくなことなさそー。


『ってことで、明日な』

「え、ちょ、まっ」

『迎えに行く』


――プー、プー・・・――



< 20 / 124 >

この作品をシェア

pagetop