*約束期限*

*真衣side*


・・・朝が来てしまいました。

いつもより早起きになっちゃって。


「はぁー・・・」


寝癖を直しながら、バカみたいだなって思う。

ただ一緒に行くだけなのに、ドキドキしてる心臓に――



――ぴんぽーん



インターホンが鳴って、外に出る。

前には、マフラーで口元まで隠した桜庭くん。


「おはよ」

「おはよーって寒!」


今日はやけに冷えてる。

恐るべし、12月・・・。


「マフラーいる?」

「え、いいよ」

「俺が早く来ちゃったせいでしょ?使って」


そう言って、桜庭くんがマフラーを外して渡してきた。


「桜庭くんが寒いよっ!」

「じゃあ一緒に巻く?嫌なら黙って巻いとけ~」


何も言えず、マフラーを巻いた。

するとあまいような櫻庭くんの匂いが広がった。




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