*約束期限*

*瞬side*


「ジーンてくるわ!んじゃ、戻ろーぜ」


響が歩き出すのと同時に、俺は後ろを振り返った。

しゃがみ込んでゆらゆらと揺れている楠木がいた。


「響、先戻ってて」

「?おー・・・」


涼介が来るまでなら、いいだろ。





「楠木」


楠木の後ろから、そっと声をかける。

はっとしたように後ろを振り返ってくる。


「さ、桜庭くん!?いきなり、どしたの」


そういえば、話すの一週間ぶりくらいだっけ。

なんかすげー心があったかい。


「んーん。楠木見つけたからきてみた」

「そっかあー!・・・もうすぐ体育祭だね」

「楠木何出んの?」

「あたしは、借り物競争!」

「俺もー!」


こういう他愛のない会話っていうの、好きだわ。

楠木の笑顔でドキってなったりとか・・・





・・・ん?ドキっ?



なんだ、ドキって?



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