*約束期限*
*瞬side*


「だから言ったのに」


俺はウサギみたいな彼女の背中を目でおった。

楠木さんとは、今日本当に初めてしゃべった。

別に、本当に好きなわけじゃない。


「しゅーんーっ」

「わっ」


後ろからアタックされ、態勢を崩した。

相手は俺の仲いい奴・中塚響。


「どーだった?」

「え?・・・あぁ、断られたに決まってんじゃん」

「まじかー!」


響は笑って答える。

まるで、そうなることがわかっていたかのように。


「俺、絶対軽い奴だと思われたよ?」

「まーいいんじゃね?笑」


実はさっきの告白には、事情がある――。
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