*約束期限*
*涼介side*
「ただいま~」
講座が終わり、クリスマスパーティ。
…今日、真衣に告白するつもりだ。
瞬なんかに渡したくない。
「おかえりっ」
部屋のドアを開けると、中に真衣の姿は見えず美月だけだった。
「真衣は?」
「あー、真衣ね…」
時計の針は七時を指している。
とっくに帰ってる時間だ。
「うん、ちょっと、買い出し…かな?」
美月の歯切れの悪い答えにハッとする。
…先越された。
俺は荷物を置いて外に出ようとする――が。
「美月?」
コートの裾を引っ張られた。
美月は下を向いていて、表情を見せない。
「…真衣の幸せ、祝ってあげようよ。もうほっといてあげてよ」
涙ぐんだ声に、何も言えなくなる。
もう一度声をかけようとしたとき、美月は顔をあげた。
「涼介のこと、好きなの!」
裾を握る力が強くなったのがわかった。