*約束期限*
*真衣side*
「美月、言ってくれるよね?」
昼休み、机を合わせて向かい合わせに座る。
なんとしてでも言ってもらう。
そして、恩返しをしよう。
「何もなかったわけじゃないよね」
まだお弁当に手を付けず、じっと見つめる。
美月が折れてくれるまで。
「…好き、って言った」
あたしは自然と笑顔になる。
やっと言ったんだ!
「じゃあ付き合――」
「ってないよ」
「え…」
「返事、まだもらえてない」
力なく笑う美月に何も言うことができない。
「こ、これからオッケーしてもらえるかもよ?」
「自身ないよ」
こんなに弱っている美月を見るのは初めてだった。
『いつも誰かと付き合って、すぐ別れての繰り返し。
なのに涼介だけは違うんだよね』
いつか笑って言ってくれたのを思い出す。
「美月なら――」
「ごめん、あたしちょっとトイレ行ってくるね」
美月は席を立った。
なにも言えない、やり場のない気持ちだけが残った。