*約束期限*
*真衣side*
桜庭くんのクラスの前に立つ。
確か、響くんも同じクラスなはず。
ドアから覗き込もうとすると、
「わっ!」
出てきた人とぶつかった。
ごめんなさい、と顔を上げるとちょうど探していた人物だった。
「あ~、真衣ちゃん」
響くんはにこにこと手を上げた。
…そんなお気楽にいられない!
「ちょっといいかな!?」
「えっ」
あたしは一緒にいた友達にペコっと頭を下げて、響くんを廊下の端に連れた。
「…えーと?」
なんの話かわかったかのように、気まずい表情を見せている。
「桜庭くん、どうかしたの?」
じっと目を見つめる。
響くんは目を左に向けてから、あたしの目を見た。
「疲れたまっちゃったみたいで、入院してる」
「入院…!?」
思いがけない言葉にびっくりする。
「あ、あ、でも!すぐ良くなるって。明日には来るんじゃないかな?」
響くんはそう言って、あたしから逃げた。
…疲労だけで二週間も入院するのかな。