*約束期限*
*真衣side*
あたしはいつもより早く起きて学校に行く。
今日はサッカー部が朝練の日。
昨日、部活のあと美月はいつも通りで、謝られた。
涼介のことは諦めないらしい。
「来てるかな…」
グランドの端の方から練習風景をうかがう。
…いない。
「桜庭くん…」
「あれっ、楠木?」
呟いたあと、桜庭くんの声がした。
空耳かぁ…
病院だから連絡手段もないし、なんだか泣きそうになる。
「おい」
鼻をすすった時、後ろからトンッと背中を押された。
この声…
「桜庭くん!」
ぱっと振り返る。
後ろには今年初めて見る桜庭くんの姿。
「空耳じゃなかった…」
「ぼーっとしてたろ。てか、こんなところでなにしてんの?」
「なにって――」
逢えたことに感動して忘れてた。大事なこと。
「そうだ、入院!大丈夫!?」